産業用ロボットを作る会社10選! 業務への導入のメリットや選ぶときのポイントを紹介
工場の工程を全て手作業で進めると、人手不足が発生した際に業務効率が大幅に低下し、従業員の負担が増えてしまう恐れがあります。産業用ロボットで作業を自動化すれば、従業員の負担が減り、チーム全体の業務を効率化することが可能です。
本記事では、産業用ロボットのメリットや選ぶときのポイント、おすすめのロボットメーカー10社を解説します。
産業用ロボット市場の現状
産業用ロボット市場は、上昇傾向にあります。経済産業省の「平成27年版情報通信白書のポイント」によると、国内のロボット市場は2035年に9.7兆円規模に達する見込みです(※1)。さらに令和6年版の情報通信白書では、世界のロボット市場規模が2028年までに655.9億ドルに達すると言われています(※2)。
現在、世界的に人口減少による人手不足や人件費の高騰が進んでおり、こうした背景からも産業用ロボットの需要は今後さらに増加するでしょう。また、産業用ロボットの世界市場のうち46%を日本が占めていることから、今後も日本は市場成長に貢献するとも言われています。
※1参考:総務省.「第2部 ICTが拓く未来社会」.
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h27/html/nc241330.html ,(参照2024-11-14).
※2参考:総務省.「特集② 進化するデジタルテクノロジーとの共生」.
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r06/html/nd132200.html ,(参照2024-11-14).
産業用ロボットの導入で得られるメリット

産業用ロボットの導入で得られるメリットは、以下の通りです。
・人手不足・技術不足が解消できる
・生産性の向上により、作業時間を短縮できる
・人的ミスが軽減し、製品の品質が上がる
人手不足・技術不足が解消される
産業用ロボットの導入により、人手不足や技術者不足の問題解決が期待できます。
少子高齢化が進む日本では、労働力の確保が大きな課題です。ロボットを活用することで作業の自動化が可能になり、労働力不足をカバーできます。加えて人件費の削減も期待でき、コストパフォーマンスの向上にもつながります。
またロボットは高度な技術を必要とする工程も実行できるため、熟練労働者がいない状況でも生産性を維持することが可能です。
生産性の向上により、作業時間を短縮できる
産業用ロボットの導入により、人手不足や技術者不足の問題解決が期待できます。
少子高齢化が進む日本では、労働力の確保が大きな課題です。ロボットを活用することで作業の自動化が可能になり、労働力不足をカバーできます。加えて人件費の削減も期待でき、コストパフォーマンスの向上にもつながります。
またロボットは高度な技術を必要とする工程も実行できるため、熟練労働者がいない状況でも生産性を維持することが可能です。
生産性の向上により、作業時間を短縮できる
人手不足の解消だけでなく、ロボットの導入で業務の生産性が向上し、作業時間を短縮できる可能性があります。
本来、工場を24時間稼働させたい場合、従業員の勤務時間の調整や夜間に働く人材の確保が必要です。その点、ロボットであれば24時間生産性を維持して稼働できるため、従業員の作業時間を短縮できます。
人的ミスを減らし、製品の品質を向上できる
産業用ロボットは正確に業務を行えるため、人の作業で起こりがちなミスを減らし、製品の品質を向上させ、結果的に仕上がりの差を少なくできます。
また食品など安全性が求められる業界に導入することで、人的ミスが軽減し、異物混入などのリスクを抑えられる点もメリットです。
産業用ロボット導入の際に考慮すべきデメリット
産業用ロボットを導入する際は、いくつか考慮すべきデメリットがあります。以下で事前に確認しておきましょう。
導入コストが高い
産業用ロボットの導入には、かなりの初期費用がかかります。ロボット本体の購入費用に加えて、設置工事や安全面の対策などにもコストが必要です。
トータルコストはメーカーによって異なりますが、基本的には1,000~1,500万円ほどかかります。長期的な効果や生産性の向上を見込んで、費用対効果が感じられるか検討段階で確認しましょう。
メンテナンス・エラー対応で手間がかかる
ロボットの精度や性能を維持するためには、部品の交換や動作確認などの点検が必要です。メンテナンスを怠ると故障やトラブルが発生しやすくなり、生産効率が低下する恐れがあります。
しかし、メンテナンスやエラーの対応には専門的な知識が求められるため、社内で有資格者を配置するか、外部の専門業者に依頼しなければなりません。資格取得のための投資や外部委託料にもコストがかかるため、導入前にメンテナンスの容易さやメーカーのサポート体制を確認しておきましょう。
産業用ロボットを選ぶときのポイント
産業用ロボットは、以下の3つのポイントを意識して選びましょう。
・導入目的を明確にする
・産業用ロボットの性能を確認する
・メーカー対応地域に含まれているか確認する
導入目的を明確にする
まずは、ロボットを導入する目的を明確にしましょう。
目的達成が見込めないロボットを導入しても、期待した効果が得られずコストや労力が無駄になってしまう可能性があります。生産性の向上や人手不足の解消、品質の安定など、具体的な目標を設定しましょう。
産業用ロボットの性能を確認する
導入の際は、ロボットの性能を事前に確認しましょう。確認する際に見るべきポイントは、以下の通りです。
・軌跡精度:指定された軌道をどれだけ正確にたどれるかを示した指標
・絶対精度:ロボットの移動量とプログラムの一致度を示す指標
・剛性:負荷に対する耐久性や安定性
・カスタマイズ性:外部システムとの連携性・遠隔操作の可否
他にも、導入スペースとロボットのサイズが合っているか、導入コストと予算のバランスが取れているかなども確認し、導入効果を最大限に引き出せるようにしましょう。
メーカー対応地域に含まれているか確認する
自社工場がある地域が、メーカー対応地域に属しているか確認しましょう。
対応地域外の場合、故障時の修理やメンテナンスに時間がかかる可能性があり、サポートを受けられない可能性があります。トラブル発生時にスムーズな対応ができるよう、導入前に対応エリアを確認しておきましょう。
産業用ロボットを作る会社とは? おすすめのロボットメーカー10社を紹介
ここでは、おすすめのロボットメーカーを10社紹介します。産業用ロボットによる業務効率化を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
・川崎重工業株式会社
・ファナック(FANUC)株式会社
・三菱電機株式会社
・株式会社安川電機
・株式会社不二越
・ユニバーサルロボット
・株式会社デンソー(DENSO)
・セイコーエプソン株式会社(EPSON)
・株式会社ダイアディックシステムズ
・Dobot Robotics(深圳越疆科技股份有限公司)
川崎重工業株式会社
川崎重工業株式会社は、日本初の国産産業用ロボット「川崎ユニメート2000」を開発したメーカーです。
可搬重量3kgから80kgの小型・中型モデルをはじめ、最大1,500kgの超大型モデルまで幅広く取りそろえ、溶接や塗装、組立などの多様な用途にも対応しています。また、ダウンタイムゼロやライフサイクルコストの削減を目指しており、充実したサポート体制で長期的な運用を支えています。
ファナック(FANUC)株式会社
ファナック(FANUC)株式会社は、1972年設立の、日本を代表する産業用ロボット・工作機械用CNCシステムメーカーです。小型から大型のロボットをはじめ、溶接や協働ロボットといった多様なラインアップを展開しています。
新商品の大型ハンドリングロボットM-1000は、500kg近くのワークを持てるだけでなく、アームの長さが約4mあるため、大型部品の取り扱いや広範囲での作業にも対応可能です。
三菱電機株式会社
三菱電機株式会社は、大手電化製品メーカーである三菱グループの一角を担うメーカーです。
MELFAシリーズは、高速・高精度の基本性能を備え、あらゆる生産現場での自動化に貢献しています。スリムでコンパクトな設計のロボットから、80kgの重量物を扱えるモデルまで取りそろえており、限られたスペースや重量物のハンドリングが求められる作業にも対応可能です。
株式会社安川電機
株式会社安川電機は、1977年に日本初の全電気式産業用ロボット「MOTOMAN」を開発して以来、世界中で50万台以上を出荷しているメーカーです。
物流や自動車、電子機器業界などのさまざまな分野の企業に導入されており、近年では産業自動化革命の一環としてIoTやAI技術を活用した「i3-Mechatronics(アイキューブメカトロニクス)」を進めています。
株式会社不二越
株式会社不二越は、1928年創業の日本の総合機械メーカーで、NACHIロボットの名称で親しまれているメーカーです。
自動車製造で培った技術を基に、軌跡精度の向上でタクトタイム(1製品の製造にかかる時間)を最大43%削減した高速・高精度ロボットや、限られたスペースでも設置できる小型ロボットなどを提供しています。
ユニバーサルロボット
ユニバーサルロボットは、2005年にデンマークで設立された協働ロボットの先駆者メーカーです。
小型・軽量の卓上型ロボット「URシリーズ」は、軽量物の組立や部品の検査、包装といった細かな作業に適しています。アームが360度回転するため、狭い作業スペースでも柔軟に動けるのが特徴です。
株式会社デンソー(DENSO)
株式会社デンソー(DENSO)は、自動車部品メーカーでありながらロボット開発57年の歴史を持つ企業です。
世界で12万台ものシェアを占めており、正確性・スピード・使いやすさを重視したロボット開発を行っています。直感的で分かりやすい設計のため、ロボットを管理した経験がない企業でも簡単に操作が可能です。
セイコーエプソン株式会社(EPSON)
セイコーエプソン株式会社(EPSON)は、1983年に腕時計の精密組立用ロボットの開発を始めたメーカーです。省スペース・小型化・高精度を追求しているため、狭いスペースでも効率的に動ける設計になっています。
ネジ締めや仕分け作業、ラベル貼り作業などの細かな工程でも高い精度を発揮し、効率的な自動化が可能です。
株式会社ダイアディックシステムズ
株式会社ダイアディックシステムズは、機械とサーボシステムを一体化したサーボドライブソリューションを提供するメーカーです。
使いやすさを重視しており、プログラム選択ボタンを押すだけで動作が開始できるシンプルな操作性が特徴です。アーム先端には用途に応じてツールを装着できるため、カスタマイズ性もあります。
Dobot Robotics(深圳越疆科技股份有限公司)
Dobot Robotics(深圳越疆科技股份有限公司)は、中国・深圳市に本社を置くロボットメーカーです。荷重0.5kgから20kgまで対応できる、幅広いラインアップを提供しています。
製造業界だけでなく、教育現場や小売、研究分野にも導入を進めており、これまでに72,000台以上の販売実績を誇る企業です。
【まとめ】産業用ロボットで業務効率化を図ろう
産業用ロボットの導入によって、人手不足の解消や生産性、製品品質の向上が期待できます。導入する際は、まず目的を明確にした上でロボットの性能やメーカーの対応地域を確認しましょう。
株式会社成電社では、製造分野での人材不足や品質管理の精度低下などの課題を解決する産業用ロボットを幅広く取り揃えております。豊富な製品バリエーションと、強みである提案力を生かし、問題解決に貢献いたします。
今回紹介した10社のメーカーの製品も取り扱っておりますので、産業用ロボットの導入を検討されている企業さまはぜひご相談ください。